春分が新年の始まり

投稿者: | 2019年3月18日

もうすぐ、あけましておめでとうございます…と

占星術を行う人には、春分の日が『新年明けましておめでとうございます』という感じになります。

占星術自体も記憶としては少々怪しいけれど、その中でもマンデンはロクに勉強したこともないので『春分図』を見るというのもやめておきます。このブログ、「いいね」ボタンもないけれど「要出典」とか書かれることもないから気楽に。

春分

占星術で「この1年を占う」とした場合、基本は春分の瞬間のホロスコープを首都の緯度経度で作成して占います。1年であれば春分。四季に分けるなら、春は春分、夏は冬至、秋は秋分、冬は冬至のタイミングのホロスコープで占いますから、春分図という春分のホロスコープは1年と春の期間の両方に使います。
なんで春分が1年のスタートなのでしょうか。昼間が伸びていく冬至でもいいような気がします。1月は冬至の直後にあるので、イメージとしてはわかります。
月の名前で言うと、Julyはユリウス・カエサル(ジュリアス・シーザー)に由来するので、大の月(31日ある)Julyに対抗して、アウグストゥス(Augustus)が自分の誕生月の8月をAugustに改名して大の月にするために2月を減らして8月を31日にした…という話。
9月がSeptであり、10月がOctであり、11月がNovem(Noven)であり、12月がDecですが、これは、カエサルとアウグストゥスが自分の誕生日を「挿入した」から2つずれたのではなくて、それぞれが7番目の月、8番目の月、9番目の月、10番目の月という意味だったと。
JulyもAugustも、改名される前は5番目、6番目の意味で、もともと月のスタートは3月だったというわけです。
1月、2月は、もともとは「名前のない月」だったとも言われます。農耕の意味では、春の3月こそ始まりにふさわしく、冬の厳しい1月、2月は名前すらなかった、と。

春分をスタートとする発想はここにあると考えています。

この1年を占う方法

1年を占う、という意味では、春分で見るというのも少々乱暴です。

牡羊座のスタートである春分で1年を占うとなると、太陽という大切な星がいる牡羊座が常に有利になってしまいます。太陽の居る星座にはプラスアルファするから常に牡羊座は下駄を履いているというのはよくないです。
太陽を支配星に持つ獅子座は、星座としては王者の風格とか、親分肌・姉御肌ということはあっても、獅子座が常に良いなら反対の水瓶座の立ち場はないでしょう。
占星術のシステムとして、太陽の暑さが本領を発揮する夏に、太陽が支配する獅子座が来ているのです。正反対は太陽から一番遠い土星が支配する水瓶座。(同じく土星は山羊座も支配します。)そして1年のスタートである牡羊座はhotでdryな性質の火の星座であり、獅子座と射手座も火の星座であり、太陽の属性もhotでdryであり、こういう春分のスタートとして牡羊座にいる太陽はexaltationといういい状態であり、居心地のいい星座にいる状態となります。
こういう仕組みは「このタイミングでは必ずこうなる」というものなので、それを利用して個人を占うのはなかなか難しい話。

これは国家を占う、国家と同等であった君主を占うようなときには、これで良いのでしょう。(国家を占うようなものがマンデンと呼ばれる占星術です。)

個人を占うとなると、話は変わってきます。
ひとつは、12星座の星占いタイプのもの。
これは1年の星の動きをざっと追っていく感じです。幸運の星は太陽でもあり、その太陽がいる星座(つまり自分の誕生日の星座の期間)はちょっと好調というのか、活力がある状態です。それだと星座ごとに毎年同じ時期が好調になってしまいます。今年の好調星座はないかを見るには使いづらいです。それには1年で1星座を動くくらいのスピードで移動している木星を「幸運の星座」として使います。
同じように不幸の星座は土星。こいつはやっかいで2.5くらい星座に居座りやがります。
もう少し小規模の幸運の星は金星で、各星座に1ヶ月程度。もう少し小規模の不幸の星は火星で、各星座に約2ヶ月程度。これらは恋愛の星とも言われますから、恋愛が数ヶ月のレベルで移ろいやすいのもわかるというものです。そして、これらの星の動きや、星がつくる角度を見たりして、組み合わせで占いをしていきます。

この考え方でいうと、12星座の分類のレベルなら、今は木星が射手座に居るから『今年は射手座が幸運の星座』となります。
木星は2017年10月10日に蠍座に入ったので、ここからは蠍座が幸運の星座でした。2018年11月8日に射手座に動き、ここからは射手座が幸運。このあと、2019年12月3日に山羊座に移動しますから、幸運の星座は射手座から山羊座に移動です。
ここだと年末に近いから総括的には「今年(2019年)は射手座が12年に一度の幸運星座」と言えるでしょう。これが年のはじめとか中盤にあったら占い師は途中で変わることを書くはずです。

個人を特定して(個人から頼まれて)占いをするとなると、事情が変わってきます。個人を占うときには、その人の生年月日、分単位の出生時間、緯度経度が算出できる出生地(現実的には市町村レベルで聞きます)、性別といった要素で占います。既婚者の場合、相手のデータを聞くこともあります。そして出生後に転居している場合は現時点での生活圏(住む家のあるところ)を聞くこともあります。
産まれた時点のホロスコープを作り、その太陽の位置に毎年の太陽がやってくるホロスコープ(ソーラーリターンと呼びます)をベースに、「その人の1年の占い」をすることがあります。これは基本的な占いのひとつで、個人の1年というのは元旦からではなくて誕生日からの1年となります。まさに、○○歳にどんなトピックがあるか、というのがこのソーラーリターンという手法です。

占星術という世界では、この程度の面倒くさいことはやっています。

今年は

12月まで木星が射手座にいるのだから、射手座はいい流れでしょう。
木星の射手座はHouse Of Planet(domicile)でもあり、木星はいい影響をあまねく世界に発揮しています。
ASC(Ascendant 上昇宮)は牡羊座でMC(Midium Coeli 南中)は山羊座です。このMC付近(10室側で3度ほどしか離れていないカルミネートの惑星が土星。え~、土星かよ~、重苦しい世の中になっちゃいそうだなと思う反面、土星がいるのは山羊座。Planet(domicile)なので、土星は悪い性質は発揮せず、土星の良いところを発揮します。地味に、堅実に、努力をしていく感じ。この土星は、隠された場所とか幽閉され場所のような意味とともに、なかなか知りえないところなどの意味もある12室の水星を60度のいい角度を誤差1度で作ります。これはいいひらめきや直感的なものがうまく作用するとか、地道な努力や知性、気づかないところで支援してくれる知的な人の存在とか、土星をフォローする動きはあるでしょう。しかし、水星は居心地の悪い魚座にいますから強力な支援とはなりづらそう。
幸運の星の木星と、幸運の星でもあり恋愛の星でもある金星が60度といういい角度を作っている点では好感があるものの、金星が恋愛の星であると同じく火星も恋愛の星であり、この金星と火星が90度という好ましくない角度を作っている点はけっこう心配。国家などのレベルで見るべきものをあえて個人に落として考えるなら、波乱の恋愛状態となる可能性があるということ。そして火星は1室といういい場所にいるものの、居心地の悪い牡羊座であり、その牡羊座の支配星(本来の家主)の金星と悪い角度ということだから、より居心地の悪さは増すでしょう。早く出て行けよ…という感じ? 人間関係の衝突とか、当てこすりのようなことは多くなりそう。国家間でも高尚とは言えない感情的なレベルでの摩擦は増えそうです。来年度は、出る杭は打たれる的な動きとか、がんばって先頭を突っ走ろうとするのには向かない年になりそうな印象です。パワフルに突き進むよりは守りを固めるような期間です。投資より貯蓄なのかもしれません。
牡羊座の太陽と乙女座の月が177度という状態で、ほぼ正反対の位置にいて、180度というとても悪い角度(誤差は1度~10度の間で占い師によって変わります)となります。しかし、これも解釈にはよるものの、射手座と天秤座という正反対の星座という領域ではなくて、射手座側にいることを考えれば180度という悪い角度を形成しないと解釈することもできる(自分はこの解釈をします)ので、あまり気にしなくていいでしょう。

だからどうということはないですが

占星術といっても、それは非科学的です。
占星術のベースとなっている本は、クラウディウス・プトレマイオス(83年頃~168年頃)の書いた『テトラビブロス』です。それ以前にマニリウスが『アストロノミカ』という本を書いたとはいっても、占星術のやり方を学ぶ本(クックブック)ではないです。
同じく、プトレマイオスの天文学寄りの著書の『アルマゲスト』のほうは日本語訳もあります。(アルマゲストは偉大な書という意味だそうで、写本されていく過程でそう呼ばれるようになった、と。当時はカタカナで書くとマテーマティケー・スュンタクスィスとかメガレ・シンタクシスなど表記する名前で、数学的な論文などという意味だそうです。)

そんなプトレマイオスの著書は、天文学と占星術の部分で中世まで教科書とされたようであり、中世以降は当時の大占星術家ウィリアム・リリーの「クリスチャン・アストロロジー」が教科書とされ、19世紀からあとの占星術は混沌の時代に。
つい最近、「クリスチャン・アストロロジー」が邦訳出版されたというのは、けっこう大きなインパクトがありました。

そんなわけで、だからどうということもなく…
自分のブログに最近はIT関係書いてないなぁと思っていたら、仕事仲間のデキるさわやかイケメンがけっこう書いてくれています。 ROAD TO SENDAGAYA おお~、参考になる!
仕事仲間のtobyもよろしく。 砂糖と牛乳

最初のころ、このブログに書いた、曜日の順番とカルデアンオーダー なんて記事もあります。